人生「30,000日」 仕事と人生をより楽しむための「直観力」

2015/06/24
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人間の平均寿命は「30,000日」と言われています。もしあなたが30歳なら、10,000日以上が過ぎたことになります。

故スティーブ・ジョブズ氏は、毎朝鏡を見て「今日が人生最後の日だとしたら、今日しようとしていることを私はしたいだろうか?」と自分に問いかけていたといいます。

かぎりある時間の中で、キャリアを充実させ、人生をより楽しみたい。でも、どうすればーー。その手がかりは、私たちの「直観」にあるのかもしれません。

「直観」はただの思いつきではない

理想のキャリアを実現する手段のひとつとして、転職が考えられます。その決断をする際、自分の強みや弱み、展望などを整理して検討した上で、最後は直観に頼ることもあるでしょう。業界や職種を変えるなど、大きな岐路に立った際にはなおさらです。

一方で、直観も交えた自分の決断を本当に信じてよいものかと、踏み切れないこともあるでしょう。それはおそらく、自分の直観を「ただの思いつき」と疑ってしまうから。実はひとの直観というものは、思いつきではありません。

社会心理学が専門のデヴィッド・マイヤーズ教授の著書「直観を科学する―その見えざるメカニズム」によると、直観とは「課題に直面したとき、脳が無意識下で膨大な量の計算を行った結果、意識に浮かび上がってくる答え」だそう。

同著の中でも、経営者が決断を下すとき、データや事業計画書を考慮しつつも、最終的には直観に頼る場合が多いことを明らかにしています。なぜなら直観は、言語化することが難しくとも、本人が自覚している以上に洗練されたアイデアだからです。

羽生名人の「直観」を補完するもの

転職のような重要な局面において、自分でも言語化することが難しい「直観」に頼ることはとても勇気のいることです。どのようにして、成功する確率の高い選択肢を選びとればよいのでしょうかーー。

プロの将棋の世界では、百戦錬磨の熟練棋士が、いくつもの手を考えた結果、そのどの手でもなく直観に頼って駒を置く場合があるといいます。実業界にもファンが多い、あの羽生善治名人も例外ではありません。

羽生名人は次に指す手を決める際、自分の直観を使うと同時に、「読み」を行い、最終的には「大局観」で決断をするそうです。

読みというのは、未来をシミュレーションすること。直観から導き出された一手の先を読むことです。ただし、対局時間に限りがあるため、数の爆発という問題にぶつかってしまいます。

そこで、「大局観」。具体的な指し手とは対照的な、方針や方向性というべきもの。これがあることによって、目前の事実にとらわれず、目指すゴールにショートカットできます。

羽生名人は、この直観と読みと大局観を、年齢や体力にあわせて上手く使いこなしているのです。

ミスを面白がる

直観に頼った結果、それがミスだったと気づくこともあるでしょう。しかしこのミスについて、羽生名人はすごくおもしろいところがあると言います。

それは、ベストな選択をしたからうまくいくというわけではなく、ミスをしたからこそ結果的にうまくいってしまうときがあるということ。そして、その過程にはいろんな物事の機微が隠されているのではないかと名人は考えます。

ミスをしたからにはうまくいっても反省は必要としつつも、必ずしも直観に基づくミスを後ろ向きにばかり捉えてはいないそうです。

「これはただの思いつきではなく、自分なりの分析と熟考を経た上でたどり着いた直観だ」、そう感じるならば、その決断とまっすぐに向き合ってみてもよいのかもしれません。理想のキャリアを実現するための推進力にもなるはずです。

[文] 細谷元、岡徳之

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