優れた経営者はなぜすぐに決められるのか ~「エグゼクティブ・ディシジョン(決断)」に学ぶ~

2016/09/06
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今、ビジネスリーダーに最も求められている能力の一つが「決断力」。一方で、「今決断することを決断できない」「他にもっと良い選択肢がある気がする」「焦って決断するとロクな事がない」といった話をよく耳にします。自分の決断力はどうすれば磨くことができるのかーー。日々、ハイクラス層と向き合い、転職をサポートするパーソルキャリア株式会社のiX転職 ヘッドハンター 澤本静さんに寄稿していただきました。

PROFILE

パーソルキャリア株式会社 iX転職 ヘッドハンター 澤本静
澤本静
パーソルキャリア株式会社 iX転職 ヘッドハンター
大手人材総合サービス会社にて、法人営業、カウンセラー、新規事業立上げ、マネジメント業務に携わった後、最大手医療ポータル運営会社にて新規事業開発に従事。その後、パーソルキャリアエグゼクティブエージェントに参画。経営企画・新規事業企画職全般の転職支援に強みを持つ

iX転職 ヘッドハンターの澤本です。年間1,000名のハイクラス層の皆さまのキャリアカウンセリングを行っています。前回の記事では、一流ビジネスパーソンの共通点「バックキャスティング思考法」についてお話しをしました。今回は、ビジネスリーダーに今求められている「決断力」についてご紹介したいと思います。

今、ビジネスリーダーに求められているのは「決断力」

今、ビジネスリーダーに最も求められている能力の一つに「決断力」があります。激しい環境の変化に柔軟に対応するために、大胆な舵切りや意思決定をしなければならないシーンが昔より格段に増えたからです。

しかし、よく聞く話があります。「今決断することを決断できない」「他にもっと良い選択肢がある気がする」「焦って決断するとロクな事がない」・・・ など。

人はなぜ、決断できないのでしょうか。さまざまな理由がありますが、確実な方法を探そうとしてしまい、リスクを過剰に受け止めてしまって踏み出せない。不確実性が高い場合は特にそうなってしまいます。しかし、残念ながら100%確実に成果の出る方法は存在しません。

では、ここですぐに決断することのメリットを考えてみます。決断し、即動くことのメリットは、シンプルに「軌道修正が可能」だということです。私がお会いするプロ経営者は驚くほど決断が早く、数分で決めて実行に移されている方が多くいらっしゃいます。社員は待ってくれても、マーケットは待ってくれないからです。

先日お会いした決断力があるハイクラス層の方に質問してみました。その方は日本の大企業の経営も海外ベンチャー企業での経営経験もお持ちでした。仮にAさんとします。

澤本「なぜ、多くの方は決めることができないのでしょうか?」

Aさん「そうですね。私が考えるに、決められない理由の本質は失敗したくないという保身なんです」

澤本「なぜ、保身があると決断できないのでしょうか」

Aさん「決断の後には良くも悪くも結果が出てしまうからでしょう。特に非常事態の場合、今この場で決断を迫られ結果が出るわけですから。冷静沈着でありつつ、同時に事の重要性や社会的意義も考慮し、大胆な意思決定を下す必要がありますが、あれこれ失敗の事ばかり考えていると決断のスピードが鈍ります。そして、初動の意思決定が遅れることのほうが想定よりはるかに大きな悲劇を生んでしまう場合が多いのです」

経営者は「決めないこと、先送りすることが最大のリスク」であることを、身を持って理解されているのです。

「覚悟に勝る決断なし」

「エグゼクティブ・ディシジョン(決断)」にコツはあるのかーー、お尋ねしますとシンプルに「覚悟だよね」とAさん。トップの決断とは、間違ったら自分が責任を取るという覚悟の連続です。ただし、社長だからといって最初から決断のプロであるわけでもなく、日々決断のトレーニングを積んでいます。

例えば、私たちのまわりの生活シーンでも決断力を磨く方法があります。

1つに、「重要な2つの軸でマッピングしてみる」ことです。例えば、腕時計の購入を検討している場合、「高性能」と「価格」という2つが出てきたとして、この基準を縦軸と横軸にして検討している商品をマッピングしてみるとビジュアルで分かり、判断がしやすくなります。

もう1つ、許容できる幅を設定し経験を積むこと。例えば、これまで行ったことがない海外への旅行を検討しているとしましょう。極論、いくらまでなら失敗しても勉強代と思えるかを先に決めると、意外と思ってもみなかった冒険をチョイスできるものです。

2軸のマッピングの図内に自分の許容範囲を設定すると、それがより明確に分かります。範囲を超えているものは選択から外せばいいのです。

最後に。私が普段お会いするハイクラス層の方たちは、本能的に「楽しいか、楽しくないか」「好きか、嫌いか」など、瞬間的に感じたことを大変大事にされています。私たちは気づかずに無意識で選択していることがほとんどで、本能で感じ取っていることを意識してみるといろいろ見えてくることがあるからだそうです。

決断力の向上について、自分が本能的に選択していることの共通点を意識してみると、自身が大切にしている軸が見つかるかもしれません。そしてそれは経営に限らず、転職など日々の決断の状況においても同様に大切な軸になるはずです。

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