変化は新しいチャンス。「カオスな状況」こそ楽しむべき―フェイスブックジャパン 中村淳一さん

2020/02/06
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PROFILE
中村淳一さん
フェイスブックジャパン株式会社 マーケティングサイエンス ノースイーストアジア統括、執行役員

慶応義塾大学経済学部卒。2002年に消費財メーカー、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)へ入社し、消費者市場戦略本部に所属。柔軟剤ブランド「レノア」の日本投入コアメンバーや、ヘアケアポートフォリオ戦略、かみそりブランド「ジレット」、店舗営業チャネルシニアマネージャーを経たのち、2013年からシンガポールにてグローバルメディア、アジア地域ビッグデータ担当のアソシエイトディレクターに着任。日本帰国後は執行役員。2017年6月にフェイスブックジャパン入社。Facebook, InstagramのアルゴリズムやInstagramのユーザーインサイト、広告効果測定のエクスパートであるマーケティングサイエンスをリードし、現職。

前編はこちら

P&Gの消費者市場戦略本部にて数々の有名ブランドを手がけ、現在はFacebookやInstagramのマーケティングサイエンスをリードする中村淳一さん。業界を大きくまたいでマーケティングの専門性を発揮し続けられる秘訣はどこにあるのでしょうか。インタビューで語られたのは、「変化をポジティブにとらえてチャンスに変える」という信念、そして中村さんが追求し続けるマーケティングという仕事の真の魅力でした。

「日本にもこんなにすごい人たちがいるんだ」という衝撃

P&G時代の私は、海外の超優秀な人材から刺激を受けたり、子どもが生まれてライフステージが変わったりといった経験を重ねました。そこから得たのが「成長するためにこんな能力やスキルを身につけたい」と考えて道を選ぶグロース志向でした。

そして訪れた大きなターニングポイントが転職です。15年勤めたP&Gから現在のフェイスブックジャパンへ転職しました。その背景にあったのもグロース志向でした。

「人がグロースする」とはどういうことなのか? 私はこのことを考えるときに、常に頭の中にT字のイメージを描いています。自らの専門性を縦方向へ高め、それを異分野や異業種などの横方向へ広げていくT字です。

思えば、15年にわたりP&Gで働いていたのは、グロースが続いていたからでした。最初は洗剤のマーケティングから入って専門性を高めていき、その後はヘアケアの分野で横への広がりを体感しました。洗剤とヘアケアでは、ターゲットとする人もインサイトの考え方も違います。さらに男性向けの商品に関わったときには、また新しい世界が待っていました。

そうやってグロースし続けている感覚があったし、子育てと仕事を両立させる「ワークフレキシビリティ」と向き合うタイミングもありました。

フェイスブックジャパンへ移ったのは、縦と横へのグロースをさらに追求していきたいと思うタイミングが来たから。P&G以外のビジネスモデルを見たかったし、AIや機械学習がどうビジネスに影響を与えるかを学びたいという思いもあったのです。

このタイミングでは新たな発見もありました。

実はこの転職の合間に、私はインキュベーションやイノベーション創造を手がけるインクルージョン・ジャパン株式会社で1カ月の社会人インターンを経験しています。ここでは、モザンビークで新たな経済圏作りに挑んでいる合田真さん(日本植物燃料株式会社 CEO)をはじめ、たくさんの刺激的な出会いがありました。

私は率直に「すごいなぁ」と思いました。

もちろん、P&G時代にもすごい人にはたくさん出会いました。グローバルでは刺激を受け続けていましたが、日本にもこんなにすごい人たちがいるんだというのは大きな衝撃でした。

同時に、「俺はまだまだだな」と素直に感じることで、グロースの余地がたくさんあることも認識したのです。それ以降は現在に至るまで、いろいろな業界の人と積極的に会い、自分自身の考え方の幅を広げるようにしています。

カオスな状況は、新しいことを始めるチャンス

フェイスブックジャパンへ来てからは、思っていた通りに新しいチャレンジとグロースの機会を得られることに感謝しています。以前はエンジニアの方々と一緒に働く機会があまりなかったので、そうした面でも新たな楽しさを感じています。

ちなみに私は、P&G時代から「自分は1年契約なのだ」というマインドセットで仕事をしてきました。1年で成果を出さなければならないのだと。

スポーツの世界では、1年契約で結果を出すべく勝負しているアスリートがたくさんいますよね。その感覚に近いのかもしれません。もちろん実際の雇用契約ではそんな条件はないのですが、限られた期間で結果を出すというマインドセットが常に重要だと考えています。フェイスブックジャパンへ来てからはスピード感がより早くなったこともあって、半年契約のつもりでいます。

こうして転職について語ると、大きな変化を感じているように思われるかもしれません。ただ、P&G時代にも上司や部署が変わって大きな変化が起きるのはよくあることでした。そこで学んだのが「チェンジマネジメント」。「変化は必ず起きるものなのだ」という考え方に立って、変化をいかにしてチャンスに変えていくかという発想です。

それが習慣となり、今でも「チェンジをポジティブにとらえてどうチャンスに変えるか」というリフレーミングをしょっちゅう頭の中で描いています。

言ってしまえば私は、変化が大好きな人間なのでしょう。周囲の人からは「カオスな状況になればなるほど楽しそうにしている」とも言われます。カオスな状況に置かれるというのは、普通は面倒で嫌なことなのかもしれませんが、私は「今までのシステムが揺らいで新しことを始めるチャンスが来た」と考えるのです。

変化がない状況というのは、グロースから離れてしまった状況であるとも言えるのかもしれません。

人を理解して、人のためにマーケティングを仕掛けていく場所

私が新しいステージにフェイスブックジャパンを選んだのは、大きな変化とグロースの機会を求めていたことに加えて、マーケティングの面白さを真正面から追求できる環境だったという理由もあります。

学生時代のインターンでマーケティングの世界に触れてからずっと、私はマーケティングの面白さに取り憑かれ続けてきました。アイデアを出して仮説検証をし、また新たなサイクルへとつなげていく。そんな面白い仕事なのですが、最近ではデジタルトランスフォーメーションの波もあって、マーケティングというと「大変」とか「面倒」といった印象を持つ人も多いかもしれません。

でも、根っこにあるマーケティングの面白さは時代に関わらず不変だと思うのです。真に大切なのは、「人を理解する」ということ。人を理解して、人が喜ぶような商品やサービスを送り出していく。これが最高に面白いんですよ。

テクノロジー業界の中でフェイスブックジャパンを選んだのは、この会社がまさに「人の話」をしているからです。事業を通じて人をエンパワーメントし、コミュニティをサポートしていく。その思いに共感したから仲間になりました。人を理解した上で、人のためにマーケティングを仕掛けていく。そんな仕事ができる場所なのだと。

最近では、新たなつながりを求めて積極的に外部へも発信するようにしています。noteで発信したり、ツイッターで知り合った若い人たちと積極的に会ったり。「世の中を変えたい」と考えている人をサポートしたいという思いも抱くようになりました。

それはフェイスブックジャパンが取り組んでいることとも重なります。

会社が目指す方向へ進むことでコミュニティが増えていき、良いコミュニティが増えれば、その分だけ世の中に良い影響が広がっていく。マーケティングの面白さをさらに究めていくとともに、私のグロース志向もまだまだ高まっていきそうです。

 

 

中村淳一さんに聞いた“キャリア形成で大切なこと”

目指す場所よりも高い目標を設定し、超えていく。

 

 

[編集・取材・文] 多田慎介 [撮影] 稲田礼子
2020/02/06

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